相変わらずコロナも社会状況も先行き不透明な状況ですね。
先日、竹中平蔵氏が「ベーシックインカム」 を偽装した国民一人あたり7万円支給の発言は、( あまり報道されていませんが)衝撃でした。 公助よりも自助を強調する菅内閣が推進する新自由主義政策とこの 本格的な棄民政策が合わさった時・・・ 私たちの社会はまさにディストピアになるでしょう。
そんな時ですが、一筋の光を感じたので投稿します。
フォローしている文筆家・岸田奈美さんが本を出しました。
岸田さんはおもにダウン症の弟さんやお母さんとの生活、 日常に起きる様々なことをエッセイとして書いている方で、 軽快な文章とそこに表れている考えにいつもうなっていましたので 、さっそく注文しました。
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幼稚園を卒園して、すぐのことだ。母が私に言った。
「お姉ちゃんやからって、我慢しなくていい。
それでも私が、短所を補いあいながら、
弟といるのが楽しかったからだ。
こういう話をすると、反応にむずかゆくなる時がある。
「ダウン症の弟さんを大切にして、立派なお姉さんですね」
「ダウン症の人は、天使ですよね」
悪気はないのはわかってるよ。
ぜんぜん、怒ってない。むずかゆいだけ。
でもなあ、ちょっと違うんだよな。
これってさ。
「花粉症の男って、天使だよね」
「わかる。鼻が詰まってて、
「涙で視界がぼやけてるから、ノーメイクなのもバレないもん」
「花粉症の男はみんな、おおらかで性格が良いんだよ」
って言ってるようなもんなのよ!聞いたことあるかよ、そんな話!
いじわるなダウン症の人だっている。
我慢してダウン症の弟の面倒を見ろと押しつけられ、
花粉症の男にも、ろくでなしはいる。
声を大にして言いたい。
私はダウン症だからではなく、弟だから、愛している。
ダウン症の家族を、愛せない人もいて、当然だと思っている。
より抜粋
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岸田さんがこのエッセイを書いたのは2020年の5月ですが、 すでにそこからまたひとつ進んでいるのでしょう。本のタイトル「 家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」 は掲載エッセイのタイトルなのですが、たらればさんとの対談ライ ブ配信を聞いたところ「障害を持つ家族と明るく楽しく暮らす岸田 さんの文章は読むたびに辛い」という当事者の感想から、 より深く考えたそうです。(以下動画の25分頃)
再掲
弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった
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24歳の弟は、字が書けない(はずだった、怪文書を読むまでは)